水底から愛す

水底から愛す



水底から、魚になれない子供を眺める。


あれは自分のようには生きられないから、抱き寄せることはできない。


水底に引き寄せれば忽ち溺れて死んでしまうから、ただ迷わないように、道を示す。


それなのに


愛情に飢えた子供は抱擁だけが愛の証だとでもいうようにそれを求める。


そのために命すら投げ出しそうな瞳で


それが与えられないなら愛されていないのだと


求める形のものが得られないなら愛ではないのだと思い込む。


それを誤解だと、理解させるには余りに縺れてしまった。


目に見える「優しさ」や、分かりやすい「信頼」に踊らされて、いつか


欲しい形のものを手に入れるだろう。


望んだものを手に入れて、そして本当に大切なものを失うだろう。






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