勘違いしそうになる。

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勘違いしそうになる。


「ななっ、コレ見て!」


朝練に向かう道すがら、何やらそわそわしているとは思っていた。

部室で着替え中に待ってましたとばかりに

高尾が嬉々とした声を上げ、

それまで背を向けていた緑間の方に

じゃーん、と効果音でも聞こえてきそうなほど

大げさな振る舞いで、くるりと綺麗に半回転を決めた。




‐続く-


と思う。


(描画時間127分)
コメント

投稿者: となり   投稿日: 2018/9/1  投稿番号:1
Tシャツの裾を掴んで目一杯広げ、
こてん、と小首を傾げながら笑う姿を見て
ファッションショーみたいだな、と思う。

高尾はまさにそのつもりだったようで
「高尾ちゃんファッションショー!」
と喚いた。
ちょうどその時部室に入ってきた
普段から言動の物騒な先輩に
「煩い。早く着替えろ、轢くぞ!」
と朝から有難いお小言を頂きながらも
高尾は喋るのを止める気はないらしい。

可愛い後輩に対して酷い、とか
宮地先輩今日もキレッキレですね!とか
昨日の歌番組のみゆみゆ良かったですねー、とか
悪口からご機嫌取りと思われる話題へと
滑らかに導いていく。

そうこうする内にどんどん部室は人数過多となり、
必然的に先に来たものから追い出される形になる。
只でさえ緑間と高尾は一年生という事もあり
いち早く体育館へ行き、諸々の準備をしなくてはならない。

「うへぇ、真ちゃん、急ごう!」

手も口も器用に素早く動かしながら
着替え終えた高尾の後に続き
緑間もラッキーアイテムを抱え部室を出た。

‐続く‐

投稿者: となり   投稿日: 2018/9/1  投稿番号:2
冒頭の「見て」はもう気が済んだのか?
「ファッションショー」と言ったという事は
自分の服を見て欲しいのだろうか?
だが特に何の変哲も無いTシャツに見えるのだが?

体育館の道具準備室からボールを持ってくる間、
高尾の姿を追いながら頭の中を疑問符が飛び交う。
そんな様子をまるで知っていたかのように
高尾が唐突に話し出す。

「さっきの続き!
 な、このTシャツさー、どうよ?」
「至って普通に見えるが…。
 今流行の冷感加工がされたものなのか?」

緑間は自分の考えつく答えを出した。
高尾は眉を下げ、少し残念そうな顔をする。
何だか自分でその答えを当てたくて
緑間はしばし観察してから口を開いた。

「柔らかそうな生地だな。
 お前にしてはかなり地味な色だと思うが…
 落ち着いた色で俺はいいと思うのだよ」

次の瞬間、高尾の瞳が嬉しさに煌めいた。
頬にも赤みが射し、幼い表情が覗く。

「な!
 コレ見つけた瞬間、
 真ちゃん色みっけ!って叫んじゃってさ!
 お店でめっちゃ注目浴びてヤバかったわw」

思わぬ高尾の激白に、緑間の動作と思考が止まる。
高尾は思いの丈が溢れ出てしまっているのか
解かってもらった嬉しさから
普段より更に饒舌に、早口で話し続ける。

「この色がさぁ、
 真ちゃんの髪の色に似てるなぁって。
 瞳の色のが近いかな…?
 でも光が射すと萌黄色で…あ、
 オレが色の和名知ってるって意外っしょ?
 真ちゃん色を表現するには
 英語より和名のが『っぽい』かなって。
 ネットで調べちゃったりしてさぁ!
 緑色って元々好きだったけどさ
 たくさん種類あるんだよな。
 だけど今は真ちゃんの色が好きなんだよな」

まだまだ止まらない。

「見つけてソッコーで買って、
 すぐ洗濯して乾いたばっかのやつ着てきたんだ。
 真ちゃんに真ちゃん色見せたくってさ!
 ぶふぉ!
 真の『真ちゃん色』纏ってる人に
 見せたいってのもどうなのってwww
 なー、俺に結構似合ってるっしょ?
 ………と………。」

何の返答も無い事で緑間の方を高尾が振り返る。
緑間はすっかり思考が飽和状態で
顔から頭からのぼせそうな熱を感じていた。
しかしそんな様子を隠すように、
アンダーリムをカチャカチャと必要以上に押し上げる。

なっ…
高尾は何を言っている!?
いや、感想だ、
只のTシャツの色の事だ。
色が好きだと、
俺と同じ緑色が好きだ、と。
だが、だが…
勘違いするのだよぉぉぉぉぉ────!

緑間のあまりの動揺振りに
半分笑いながら、どしたん?真ちゃん?
と話しかけながらも
俺変な事言ったか?と
さっきまでの自分の発言を反芻してみる。

‐続く‐

投稿者: となり   投稿日: 2018/9/1  投稿番号:3
「…!」

高尾の顔が解かりやすく赤く染まっていく。
緑間の熱も、高尾の様子を確認して
更に上がっていくのを感じる。

「えっ、
 あっ、
 はっ…!
 ……………」

何とか誤魔化そうと試みるが
脳まで沸騰しているのか
高尾の口からは言葉とも叫びとも取れない
意味を為さない音しか出て来ず、
諦めて黙り込んでしまった。

こういう時の高尾は大概思考がマイナスに傾く。
能天気を絵に描いたような普段からは
想像出来ないほど、自分自身を貶める傾向にある。
最近その事が解かり始めた緑間は、
高尾のそばに歩み寄った。

少し身じろぎしたものの、逃げられないと悟ったのか
高尾はその場から動かなかった。
緑間が間近に迫った時、
高尾はゆっくりと息を吐き、話し出した。

「ごめ…
 気持ち悪…い…よな」

言い終わるか否かのタイミングで
赤く染まった高尾の鼻を
緑間は左手で摘み上げた。

「痛っ!いたたたっ!痛ぇって!」

ふん、と鼻を鳴らして、
緑間は高尾に言い放つ。

「勝手に人の感情を決めつけるな。
 驚きはしたが、
 気持ち悪いとは思わないのだよ」

‐続く‐

今から夕食でっせー\(^o^)/辛っ

投稿者: となり   投稿日: 2018/9/2  投稿番号:4
その時の緑間の優しい、
大事なものを見るような表情は、
今まで高尾も見た事がないものだった。

想像もしなかった言葉とその美しい造作に、
高尾はぽかんと大口を開けたまま見惚れていた。

あまりにも間の抜けた顔に少々呆れた様子で
ふ、と口元を緩めるながら
緑間の綺麗にテーピングが巻かれた左手が
高尾の鼻から離れたあと、
ゆっくりと頬を滑るように撫でて落ちる。

触れられた箇所に一気に熱が集まるのを感じる。
熱いのかくすぐったいのか痛いのか、
もう何もかも混ぜこぜで、
今すぐここから逃げ出したいのに
全く動かない役立たずの自分の両足を呪った。

が、次の瞬間。

「集合だ、行くぞ」

照れくさいような、じれったいような空気を
一掃するには十分過ぎるほどの無機質な言葉が
緑間から投げかけられた。

「お、おう…」

呆気に取られながら高尾に背を向け
集合場所に向かう緑間を恨めしく見詰める。

何だよ、俺が真ちゃんの事大好きって
勝手に盛り上がって勝手に自爆してるだけかよ
っつーかあんな触れ方しといて…!

「…勘違いするっつーの…」

『真ちゃん色』の自らのTシャツの裾を掴み
項垂れている高尾は
照れて耳を真っ赤にしている緑間に
気付く事は無かった。

‐終わり‐




投稿者: となり   投稿日: 2018/9/3  投稿番号:5

何だか中途半端なお話に。

文章は難しいですねー。


 

 
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