童話アレンジ

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童話アレンジ


継母と継姉が来てからというもの、カシスの生活はすっかり変わってしまいました。

「ほら、これも洗濯よ!」

「それが終わったらお掃除ね。それから今夜のパーティには何を着ていこうかしら……?アイロンをかけておいてよね!」

「……はい」

母を亡くした父がどれだけ気落ちしたのかを知っていたため、一人娘のカシスは嫌でも耐えるしかありません。

継母が父の傷を癒してくれるのならば、それに越したことはないのです。

でも、やはり自分の母が恋しいもの。

そんなある日、冬の日の水くみに来た日のことでした。

「そこのお嬢さん」

声がした方に目を向けてみると、そこにはとても弱々しい老婆がやっとのことで立っていました。

「大丈夫ですか?私がそちらに行きますよ」

カシスは彼女の元へ駆けより、澄んだ水を汲んで飲ませてあげました。

老婆の瞳に輝きが戻ります。

「……なんて親切なお嬢さんなんだろう。お礼に魔法をかけてあげよう。これからなんでも言葉にしたものが貴女の口から出てきますよ」

「大したことはしていませんが、ありがとうございます」

その出来事を聞いた継母は、自分の娘にも同じことをさせてみました。

「そこのお嬢さん」

――きた。

そう継姉は思いました。

それと同時にこうも思いました。

――なんて不潔でけがらしいババアなのかしら。

「なによ?」

「お水を恵んでいただきたいのですが……」

「はい、これでも飲めばいいじゃない」

継姉は義理の妹であるカシスが汲んだ水をそのまま乱暴に渡しました。

大事なのは『魔法をかけてもらう』ということであり、その他はどうでもいいのです。

「……なんという嫌な娘じゃ。呪いをかけてやろう!」

継姉は言葉にしたものがそのままカタチになる呪いをかけられました。

しかし、カシスと違うのは、彼女が普段口にする言葉が妬み・僻み・嫉み、といったネガティブなものばかり。

これでは出てくるものは汚れたものばかりです。

一方で素直で感謝の心を忘れないカシスは、普段から美しい言葉を使うので、綺麗なモノしか出てきません。

……こうして二人の義姉妹は対照的な人生を送りました。


おしまい


++


図書館で借りてきた美輪さんの本のお話とシンデレラとオリジナル要素を加えてみました。

いや、単に童話が読みたい気分だっただけです。

お金があれば幸せとも限らない、って言いますが、お金がなければそもそも生きていけませんからね?

大事なのはバランスですよといいたいところです。

……オチ?

これがオチです。


(描画時間34分)
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