落書き
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キュッ
床とバッシュが擦れる
地面を蹴り上げて、体が浮けば
リングにぶつかることなく吸い込まれるシュート。
ふわりと吹き込んだ風は、もうすっかり夏の色を含んでいて。
「うー…ん!今日も絶好調!」
ボールを抱えて背伸びをし、時計に目をやれば12を指していて。そろそろ切り上げて昼飯でも食べるかとまったりと片付けをし始める。
この場に他の部員はいない
何故なら私だけが昼練をしていたのだから。
本校舎から隠れた第五体育館。
その他の体育館程には大きくないが、一人自主練習をするに至っては十分な広さがある。
中1の時ここを見つけ、それから昼にはここで自主練習をすることが習慣となっていた。
元々建て壊し予定だったということもあり、わざわざ昼にこんな場所に来る人はいなくて。それにこんな大きなマンモス校だ、この場所を知らない人もいるだろう。
弁当を片手に二階の踊り場に出れば
眩しいぐらいの陽射しが差し込んだ。
「今日のおかずはなんだろな〜、おっとそこには一面に敷き詰められた白米が…!!白米を立てるように飾られた梅干しがチャームポイント!…なーんてね。お弁当は二段でーしたー」
今日も悲しくぼっち飯だぜ…くぅ、辛いねぇ!
誰もいないここでは私の声がよく響いて、
さらに虚しさがよく染みる。
別に一緒に食べる友達がいないってわけではない。寧ろ友達は多い方だ。
友達と一緒に食べようと思ったら昼練のためにわざわざ外にまで出てきてもらわなければいけない。
それは申し訳ないとこちらから断ったのだ。
うーん。今日は本当にいい天気だねぇ
まるで受験が終わった後の受験生の心を表しているようだ、おっ、我ながらいいセンス!
友人が側にいれば なにそれ、と突っ込んでくれるだろう。
が、しかし今は一人だ。
私の分かりにくいネタは夏の風の中に溶け込んだ。
「いやいや、なんだよそれ。普通に晴天って言えよ」
「…!」
不意打ちだった。いきなり聞こえた声に箸を落としそうになる。
えっ、えっ?え?どこから声が。
下をみれば覗く一つの影。
灰色頭の彼が一人、壁に背を預けて煙草を吹かしていた。
どうやら一人だと思っていたのは私だけらしい。
「あらあらぁ?学校で法律違反ですかい?やりますなぁ」
「うるせー、そこにいたら煙吸うぜ?」
「おおう、それはちょっといただけない。そこにいて!今降りるから!」
「は?来なくていい…ってもういねぇ…」
久しぶりの来客だ、気分も上がる。ちょっとばかし不良少年だけれど。
急いで階段を駆け降り、彼の元へと向かった。
それは 駆け出した青い蒼い、夏のこと。
タバコの煙と柔軟剤のにおいがした。
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ゆいちゃんと千春